《わけ》も分らねえ者を無闇に引張込《ひっぱりこ》んでしまって何うするだ、医者様の薬礼まで己が負《しょ》わなければなんねえ」
早「それは然《そ》うよ、それは然うだけれど、他家《ほか》から嫁子《よめっこ》を貰やア田地が附いて来る、金が附いて来るたって、ま宅《うち》へ呼ばって、後《あと》で己が気に適《い》らねえば仕様がねえ訳だ、だから己が気に適《あ》ったのを貰やア家《うち》も治まって行くと、夫婦仲せえ宜《よ》くば宜《い》いじゃアねえか、貰ってくんろよ」
五「何を馬鹿アいう手前《てめえ》が近頃|種々《いろ/\》な物を買って詰らねえ無駄銭《むだぜに》を使うと思った、あんな者が貰えるか」
早「何もそんなに腹ア立てねえでも宜《い》い相談|打《ぶ》つだ」
五「相談だって手前《てめえ》は二十四五にも成りやアがって、ぶら/\遊《あす》んでて、親の脛《すね》ばかり咬《かじ》っていやアがる、親の脛を咬っている内は親の自由だ、手前の勝手に気に適《い》った女が貰えるか」
早「何ぞというと脛え咬る/\てえが、父《ちゃん》の脛ばかりは咬っていねえ、是でもお客がえら有れば種々《いろん》な手伝をして、洗足《すゝぎ》持って
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