男が亡くなってしまった日にゃア、誠に困る、身ぐるみ脱《ぬい》だって、碌な荷物も無《ね》えようだから、宿賃の出所《でどこ》があるめえと思って、誠に心配《しんぷえ》だ、とんだ厄介者に泊られて、死なれちゃア困るなア」
忰「それに就《つい》て父《ちゃん》に相談|打《ぶ》とうと思っていたが、私《わし》だって今年二十五に成るで、何日《いつ》まで早四郎《はやしろう》独身《ひとり》で居ては宜くねえ何様《どんな》者でも破鍋《われなべ》に綴葢《とじぶた》というから、早く女房を持てと友達が云ってくれるだ、乃《そこ》で女房を貰おうと思うが、媒妁《なこうど》が入って他家《ほか》から娘子《あまっこ》を貰うというと、事が臆劫《おっくう》になっていかねえから、段々話い聞けば、あの男が死んでしまうと、私《わし》は年が行かないで頼る処もない身の上だ、浪人者で誠に心細いだと云っちゃア、彼《あ》の娘子が泣くだね」
五「浪人者だと…うん」
早「どうせ何処《どっ》から貰うのも同じ事だから、彼《あ》の男がおっ死《ち》んだら、彼の娘を私《わし》の女房に貰《もれ》えてえだ、裸じゃアあろうけれども、他人頼《ひとだの》みの世話がねえので、
前へ
次へ
全470ページ中272ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング