《うち》へは置かねえとって追出され、中々詫言をしても肯《き》かねえと存じまして、友達を頼って田舎へめえりましたところが、間の悪い時にはいけねえもんで、其の友達が災難で牢へ行くことになり、留守居をしながら家内を種々《いろ/\》世話をしてやりましたが、借金もある家《うち》ですから漸々《だん/\》行立《ゆきた》たなくなって、居候どころじゃアごぜえませんから、出てくれろと云われるのは道理《もっとも》と思って出ましたが、他《ほか》に親類身寄もありませんから、詫言をして帰りてえと思いましても、主人は彼《あ》の気象だから、詫びたところが置く気遣《きづか》いは有りません、種々考えましたが、あなたは確か美作のお国からのお馴染でいらっしゃいますな」
權「然《そ》うよ」
有「あなたに詫言をして戴こうと斯う思いやして、旅から考えて参りましたところが、中々入れませんで、此の田の中をずぶ/\入って此処《こゝ》へ這込《はいこ》みやしたが、久しく喰わずにいたんで腹が空《す》いて堪《たま》りません、雪に当ったり雨に遭ったりしたのが打って出て、疝癪が起って、つい呻りました、何分にも恐入りますが何うか主人に詫言をお願い申し
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