いが、働くことは宜く働き、口も八丁手も八丁ぐらいな事は云う、手前を殺さないように、そんなら己の家《うち》へ置くと云ったら幸い、若《も》し世話が出来ん出て行けと云ったら仕方が有りませんと泣く/\出れば、小遣いの一分や二分はくれる、それを貰って出てしまった所が元々じゃアないか、もし又首尾好く權六の方へ手前を置いてくれたら、深更《よふけ》に權六の寝間へ踏込んで權六を殺してくれ、また其の前にも己の処へ詫びに来る時にも、隙《すき》が有ったら、藪に倒れてゝ歩けない、担《かつ》いでやろうとか手を引いてやろうとか云った時にも隙があったら、懐から合口《あいくち》を出して殺《やっ》ちまえ、首尾好く仕遂《しおお》せれば、神原に話をして手前を士分《さむらい》に取立てゝやろう、首尾好く殺して、ポンと逃げてしまえ、十分に事成った時には手前を呼戻して三百石のものは有るのう。手前が三百石の侍になれる事だが、どうか工夫をして行《や》って見ろ、もし己のいう事を胡乱《うろん》と思うなら、書附をやって置いても宜しい、お互に一つ鍋の飯を食い、燗徳利が一本限《いっぽんぎ》りで茶碗酒を半分ずつ飲んだ事もある仲だ、しくじらせる事も出
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