に居た奴であろうな」
曲「へえ」
梅「もういけん、此書《これ》は松蔭から何者へ送るところの手紙か、又|他《わき》から送った手紙か、手前は心得て居《お》るか」
曲「へえ」
梅「いやさ、云わんければ手前は嬲《なぶ》り殺《ごろ》しにしても云わせなければならん、其の代り云いさえすれば小遣《こづかい》の少しぐらいは持たして免《ゆる》してやる」
清「そうだ、早く正直に云って、小遣を貰え、云わなければ殺されるぞ、さ云えてえば(又|打《う》つ)」
曲「あゝ痛うごぜえます、あ危《あぶの》うございます、鼻の先へ……えゝ仕方がないから申上げますが、実はなんでごぜえます、私《わたくし》が主人に頼まれて他《ほか》へ持っていく手紙でごぜえます」
梅「むゝ何処《どこ》へ持って行《ゆ》く」
曲「へえ先方《さき》は分りませんけれども持って行《ゆ》くので」
梅「これ/\先方《さき》の分らんということがあるか、何処へ……なに、先方が分っている、種々《いろ/\》な事を云い居《お》るの、先方が分ってれば云え」
曲「へえ、その何《なん》でごぜえます、王子の在にお寮《りょう》があるので、その庵室《あんしつ》見たような所の側《わき》
前へ
次へ
全470ページ中239ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング