って、言うことが皆《みん》な[#「皆《みん》な」は底本では「皆《みな》な」]出たらめばかりだ、此の野郎(打《ぶ》つ)」
曲「あ痛《いた》/\/\痛《いと》うごぜえやす、どうか御勘弁を…悪い事はふッつり止《や》めますから」
清「止《やめ》るたって止めねえたって、何で手紙を盗んだ(又|打《う》つ)」
曲「あ痛うごぜえやす、何う云う訳だって、全く覚えが無《ねえ》んでごぜえやす、只慌てゝ私《わっし》が……」
梅「黙れ、何処までも云わんといえば殺してしまうぞ、此方《こっち》が先程から此の手紙が分らんと、幾度も読んで考えていたところだ、これは何か隠《かく》し文《ぶみ》で、お屋敷の大事と思えば棄置かれん、五分試《ごぶだめ》しにしても云わせるから左様心得ろ…」
と
「脇差を取って来る間逃げるとならんから」
清「なに縛ってあるから大丈夫だよ」
梅「五分だめしにするが何うだ、云わんければ斯うだ」
とすっと曲者の眼の先へ短刀《みじか》いのを突付ける。
曲「あゝ危《あぶの》うごぜえやす、鼻の先へ刀を突付けちゃア……どうぞ御勘弁を」
梅「これ、手前が幾ら隠してもいかん事がある、手前は谷中三崎の屋敷で松蔭の宅
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