何うもはア油断のなんねえ、庭伝えに入《へえ》ったか、何《なん》にしろ暗くって仕様がねえ、店の方へ往《い》って灯《あかり》を点《つ》けて来るから、逃してはなんねえ」
梅「何だ此奴《こいつ》……動かすものか、これ……灯を早く持って来んかえ」
清藏は店から雪洞《ぼんぼり》を点けて参り。
清「泥坊は何処《どこ》に/\」
梅「清藏どん、取押えた、なか/\勝手を知った奴と見えて、廊下伝いに入った、力のある奴だが、柔術《やわら》の手で押えたら動けん、今暴れそうにしたからうんと一当《ひとあて》あてたから縛って下さい」
清「よし、此奴《こいつ》細っこい紐じゃア駄目だ、なに麻縄《ほそびき》が宜《い》い」
とぐる/\巻に縛ってしまいました。
曲者「何卒《どうぞ》御免なすって……実は何《なん》でございます、へえ全く貧《ひん》の盗みでございますから、何卒御免なすって」
清「貧の盗みなんてえ横着野郎め」
此の中《うち》下女などが泥坊と聞いて裸蝋燭《はだかろうそく》などを持ってまいりました。
清「これもっと此方《こっち》へ灯《あかり》を出せ、あゝ熱いな、頭の上へ裸蝋燭を出す奴があるかえ、行灯《あんどん》を其方
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