」
竹「誠に手前の心掛感心なことで……私も往《い》って貰いたいというは、祖五郎も此の通りまだ年は往《ゆ》かず……併《しか》しそれも気の毒で」
忠「何う致しまして、私《わたくし》の方から願っても、此の度《たび》は是非お供を致そうと存じて居《お》るので、どうか願います」
竹「そんなら岩吉を呼んで、宜《よ》く相談ずくの上にしましょう」
忠「いえ相談を致しますと、訳の分らんことを申してとても相談にはなりません、それより立つ前に書面を一本出して、ずっとお供をしてまいっても宜しゅうございます、心配ございません」
そんならばと申すので、是から段々旅支度をして、いよ/\翌日《あした》立つという前晩《まえばん》に、忠平が親父の許《もと》へ手紙を遣《や》りました。親父の岩吉は碌に読めませんから、他人《ひと》に読んで貰いましたが、驚いて渡邊の小屋へ飛んでまいりました。
岩「お頼ん申します」
忠「どうれ……おやお出でかえ」
岩「うん……手紙が来たから直《すぐ》に来た」
忠「ま此方《こっち》へお出で」
岩「手前《てめえ》何かお嬢様方のお供をして信州とかへ行《ゆ》くてえが飛んだ話だ、え飛んだ話じゃアねえか、そん
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