ら死ね、さ此処《こゝ》に庖丁があるから」
清「止せよー、困ったなア……うむ何うした/\」
若江は身の過《あやま》りでございますから、一言もないが、心底可愛い梅三郎と別れる気がない、女の狭い心から差込んでまいる癪気《しゃくき》に閉じられ、
若「ウヽーン」
と仰向けさまに反返《そりかえ》る。清藏は驚いて抱き起しまして、
清「お前さま帰るなんて云わねえが宜《い》い、さゝ冷たくなって、歯を咬《くい》しばっておっ死《ち》んだ、お前様《めえさま》が余《あんま》り小言を云うからだ……ア痛《いた》え、己の頭へ石頭を打附《ぶッつ》けて」
と若江を抱え起しながら、
清「お若やー……」
母「少しぐらい小言を云われて絶息《ひきつけ》るような根性で、何故|斯《こ》んな訳になったんだかなア、痛《いて》え……此方《こっち》へ顔を出すなよ」
清「お前《めえ》だって邪魔だよ、何か薬でもあるか、なに、お前《めえ》さま持ってる……むゝう是は巻いてあって仕様がねえ、何だ印籠《いんろう》か……可笑《おか》しなものだな、お前《めえ》さん此の薬を娘《あま》の口ん中《なけ》へ押《お》っぺし込んで……半分噛んで飲ませろよ、なに間
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