様には思うか知んねえけれども、只今申します通り義理があって、どうも此の娘を宅《うち》へ置かれません只《たっ》た今追出します、名主へも届け、九離《きゅうり》断《き》って勘当します、往処《ゆきどこ》もなし、親戚《みより》頼りもねえ奴でごぜえますから、見棄てずに女房にして下せえまし、貴方《あんた》が見棄てゝも私《わし》ゃア恨みとも思いませんが、どうかお頼み申します、何や清藏、あのお若を屋敷奉公させて家《うち》へ帰らば、柔《やあら》けえ物も着られめえと思って、紬縞《つむぎじま》の手織《ており》がえらく出来ている、あんな物が家に残ってると後《あと》で見て肝《きも》が焦《い》れて快《よ》くねえから、帯も櫛《くし》笄《こうがい》のようなものまで悉皆《みんな》要《い》らねえから汝《われ》え一風呂敷《ひとふろしき》に引纒《ひんまと》めて、表へ打棄《うっちゃ》っちまえ」
清「打棄らねえでも宜《よ》かんべい、のう腹ア立とうけれども打棄ったって仕様がねえ」
母「チョッ、分らねえ奴だな、石原の親達へ対《てい》しても此娘《これ》がに何一つ着せる事ア出来ねえ、そんならと云って家《うち》に置けば快《よ》くねえ、憎い親
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