び》をしねえ内は仕方がねえから……へえ往って参《めえ》りました」
母「余《あんま》り長《なげ》えじゃアねえか」
清「長えって先方《むこう》で引留めるだ、まア一盃《いっぱい》飲んで往《い》けと云って、どうか船の利かないところを、お前《めえ》の馬に積んで二三|帰《けえ》り廻してくれと云っていたが、薪《まき》は百把《ひゃっぱ》に二十二三把安いよ」
主「それは宜《よ》かっけな」
清「何よ、それ何《なん》に逢いやした、それ…」
母「誰だ」
清「誰だって大《えか》くなって見違《みちげ》えたね、屋敷姿は又別だね、此処《こゝ》を斯ういう塩梅《あんばい》に曲げて、馬糞受《まぐそうけ》見たように此処にぺら/\下げて来たっけね、今日の髪《あたま》ア違って、着物も何だか知んねえ物を着て来たんだ、年い十八じゃア形《なり》い大《でけ》えな、それ娘のおわかよ、父《とっ》さまに似てえるだ」
母「あれまア何処《どけ》え」
清「六畳に居るだ」
母「あれまア早くそう云えば宜《え》いじゃアねえか」
清「遅く屋敷を出たゞよ」
母「何か塩梅でも悪くて下《さが》って来たんじゃアあんめえか、それとも朋輩《なかま》同士揉めでも出来たか
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