、間ア悪がって……早く負《ぶ》っされよ、少《ちい》さえうちは大概《ていげえ》私《わし》が負《おぶ》ったんだ、情夫《おとこ》が居るもんだから見えして、われが友達の奥田《おくだ》の兼《かね》野郎なア立派な若《わけ》え衆《しゅ》になったよ、汝《われ》がと同年《おねえどし》だが、此の頃じゃア肥手桶《こいたご》も新しいんでなけりゃ担《かつ》ぎやアがんねえ、其様《そんな》に世話ア焼かさずに負《ぶっ》されよ」

        二十四

 鴻の巣の宿屋では女主人《おんなあるじ》が清藏の帰りの遅いのを心配いたして、
母「あの清藏はまだ帰《けえ》りませんかな……何うしたか長《なが》え、他の者を使いにやれば、今までにゃア帰《かえ》るだに……こら、清藏が帰《けえ》ったようじゃアねえか、帰《けえ》ったら直《すぐ》に此処《こゝ》へ来《こ》うといえ」
清「へえ、只今往って参《めえ》りました……もし、此の人は何とか云っけ、名は……」
若「春部さま」
清「うん春部梅か成程……梅さん、そこな客座敷は六畳しかないが、客のえらある時にゃア此処へも入れるだが常にア誰も来ねえから、其処《そこ》に入《へい》って居な、一旦|詫《わ
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