な処へ※[#「譽」の「言」に代えて「石」、第3水準1−89−15]石《よせき》の粉が浮いて居りますので、
源「幾ら煉《ねっ》てもいけません」
と此の事を松蔭大藏に申しますから、大藏もどうしたら宜かろうと云うので、大藏の家《うち》へ山路という医者を呼び飴屋と三人打寄って相談をいたしますと、山路の申すには、是は斑猫《はんみょう》という毒を煮込んだら知れない、併《しか》し是は私《わし》のような町医の手には入《はい》りません、なにより効験《きゝめ》の強いのは和蘭陀《おらんだ》でカンタリスという脊中《せなか》に縞のある虫で、是は豆の葉に得て居るが、田舎でエゾ虫と申し、斑猫のことで、効験が強いのは煎じ詰めるのがよかろうと申しましたので、なる程それが宜かろうと相談が一決いたし、飴屋の源兵衞と医者の山路を玄関まで送り出そうとする時|衝立《ついたて》の蔭に立っていましたのは召使の菊という女中で、これは松蔭が平生《へいぜい》目を掛けて、行々《ゆく/\》は貴様の力になって遣《つか》わし、親父も年を老《と》っているから、何時《いつ》までも箱屋(芸妓《げいしゃ》の箱屋じゃアありません、木具屋と申して指物《さし
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