》を囲炉裡《ゐろり》にかけて玉子を二ツ三ツポン/\と中に入れましたが早速《さつそく》玉子酒《たまござけ》が出来《でき》ました。女「此湯呑《このゆのみ》でお上《あが》んなさいまし、お酌《しやく》をしませう。○「久《ひさ》し振《ぶ》りであなたにお目にかゝつてそのお酌《しやく》で頂《いたゞ》くのはお祖師様《そしさま》の引《ひ》き合《あは》せでございませう、イエたんとは頂《いたゞ》きません。女「さぞくたびれたでございませう、此次《このつぎ》の座敷《ざしき》はきたなくつて狭《せま》うございますが、蒲団《ふとん》の皮《かは》も取《と》り替《か》へたばかりでまだ垢《あか》もたんと附《つ》きませんから、緩《ゆつ》くりお休みなさいまし、それに以前《もと》吉原《よしはら》で一遍《いつぺん》でもあなたの所へ出たことがあるんですから、良人《うちのひと》に知れると悋気《りんき》ではありませんが、厭《いや》な顔でもされるとあなたも御迷惑《ごめいわく》でございませうから内々《ない/\》で。○「へえーいえもうやきもちを焼《や》かれる雁首《がんくび》でもありませんが、人情《にんじやう》でございますから、まるつきり見ず知
前へ 次へ
全15ページ中7ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング