ゝ華魁《おいらん》であつたが惜《を》しいことをしてしまつた、それからあなたの俗名《ぞくみやう》月《つき》の戸《と》華魁《おいらん》と書いて毎日|線香《せんかう》を上《あ》げて居《を》りますが夢の様《やう》でございます。女「実《じつ》はね情死《しんぢゆう》を為《し》そこなひました、相手《あひて》は本町《ほんちやう》の薬屋《くすりや》の息子さんで、二人とも助かりまして品川溜《しながはだめ》へ預《あづ》けられて、すんでに女太夫《をんなたいふ》に出る処《ところ》をいゝあんばいに切《き》り抜《ぬ》けてこゝに来《き》てゐますが。男「左様《さやう》でございますか、今日《けふ》は旦那《だんな》は。女「商《あきな》ひに行《い》つて留守《るす》でございます。男「何《な》んの御商売《ごしやうばい》でございます。女「是《これ》と云《い》ふ職《しよく》はありませんが薬屋《くすりや》の息子でございますから、熊《くま》の膏薬《かうやく》を練《ね》ることを知つて居《を》りますから、膏薬《かうやく》を拵《こしら》へて山越《やまごえ》をしてあつち此方《こつち》を売《う》つてゐるのでございます。男「へえー芝居《しばゐ》にあ
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