がこはれるとガラ/\/\と流れ出しました。○「南無妙法蓮華経《なむめうほふれんげきやう》々々々々々々々《なむめうほふれんげきやう》」と一心《いつしん》にお題目《だいもく》をとなへてゐると筏《いかだ》はだん/\くづれて自分の乗つてゐる一本になりました。そこへ追つて来たおくまは岩に片足をかけて狙《ねらひ》を定《さだ》めて引《ひ》きがねを引くとズドーンとこだまして筒《つゝ》をはなれた弾丸《たま》は旅人《たびゞと》の髪《かみ》をかすつて向《むか》うの岩角《いはかど》にポーンと当《あた》りました。○「アツ有難《ありがた》いたつた一本のお材木《ざいもく》で助つた。
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(註。最初《さいしよ》此話《このはなし》は芝居話《しばゐばなし》でしたがおくまの弾丸《たま》をのがれての白《せりふ》を左《さ》に記《しる》して置きます、)
「思ひがけなき雪の夜に御封《ごふう》と祖師《そし》の利益《りやく》にて、不思議と命《いのち》助《たす》かりしは、妙法蓮華経《めうほふれんげきやう》の七字より、一|時《じ》に落《おと》す釜《かま》ヶ|淵《ふち》、矢《や》を射《い》る水より鉄砲《てつぱう》の肩を擦
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