りたく心得《こゝろえ》ますが……。殿「おゝ夫《それ》は宜《よ》からう、コレ伊丹《いたみ》も何《なに》も皆《みな》此所《これ》へ来《こ》い。伊「へい/\。登「上《かみ》が是《これ》だけのお道具《だうぐ》を何日《いつ》の間《ま》にかお集めに成《なつ》たのだ。伊「へえー、是《これ》は何《なん》と申《まう》すもので。殿「ウム、夫《それ》は検熱器《けんねつき》と云《い》ふものだ、是《これ》が聴診器《ちやうしんき》、是《これ》が打診器《だしんき》と云《い》ふものだ。伊「へえー。殿「一つ診《み》てやらうか。登「いえ私《わたくし》は別段《べつだん》何処《どこ》も。殿「いや然《さ》うでない、まア診《み》て遣《つか》はすから裸体《はだか》になれ、是《これ》も稽古《けいこ》じや、何《なん》でも事は度々《たび/\》数《かず》を掛《かけ》んければいかぬからの。登「併《しか》し御前《ごぜん》のお目通《めどほ》りで裸体《はだか》になるは恐入《おそれいり》ますことで。殿「ナニ構《かま》はぬ、許《ゆる》すから宜《よ》い。登「然《しか》らば御免《ごめん》を……エヘヽヽ斯《か》ういふ事に致《いた》しますか。殿「ウム、好《よ
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