の御馬前《ごばぜん》にて血烟《ちけむり》を揚《あ》げ、槍先《やりさき》の功名《こうみやう》に依《よつ》て長年《ながねん》大禄《たいろく》を頂戴《ちやうだい》して居《を》つたが、是《これ》から追々《おひ/\》世《よ》の中《なか》が開《ひら》けて来《く》るに従《したが》つて時勢《じせい》も段々《だん/\》変化《へんくわ》して参《まゐ》るから、何《なに》か身《み》に一|能《のう》を具《そな》へたいと考へて、予《よ》は人知《ひとし》れず医学《いがく》を研究したよ。登「へえー夫《それ》は何《ど》うも結構《けつこう》な事で。殿「別に師匠《ししやう》も取らず書物《しよもつ》に就《つ》いて独学《どくがく》をしたのぢやが、色々《いろ/\》な事を発明《はつめい》したよ、まア見るが宜《い》い、是《これ》だけ器械《きかい》を集めたから。登「ヘヽー成程《なるほど》、何日《いつ》の間《ま》に、何《ど》うも恐《おそ》れ入《い》りましたことで、併《しか》し私《わたくし》一人で拝見《はいけん》いたしますのも些《ち》と惜《をし》いやうで、彼所《あれ》に詰合《つめあつ》て居《ゐ》る者共《ものども》にも一|応《おう》見せてや
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