時《あるとき》是真翁《ぜしんをう》の処《ところ》へ行《ゆ》くと、是真翁《ぜしんをう》が「お前《まへ》は此頃《このごろ》大層《たいそう》怪談《くわいだん》の種子《たね》を探しておいでださうだ。」「どうか怪談《くわいだん》の種子《たね》を百|種買出《いろかひだ》して見たいと思ひます。八|代目《だいめ》団《だん》十|郎《らう》や市村羽左衛門《いちむらうざゑもん》の怪談《くわいだん》、沢村宗《さはむらそう》十|郎《らう》の御殿女中《ごでんぢよちう》の怪談《くわいだん》、岩井半《いはゐはん》四|郎《らう》の怪談《くわいだん》、其他《そのた》聞いた事見た事を種々《いろ/\》集めてゐるんですが」と云《い》ふと、是真翁《ぜしんをう》が「円朝《ゑんてう》さん、妙《めう》な怪談《くわいだん》の種子《たね》がある。こりやア面白《おもしろ》い怪談《くわいだん》だが、お前《まへ》何《なに》を知らないか、塩原多助《しほばらたすけ》といふ本所《ほんじよ》相生町《あひおひちやう》二|丁目《ちやうめ》の炭屋《すみや》の怪談《くわいだん》を」「知りませぬ」「さうかね、塩原多助《しほばらたすけ》といふ炭屋《すみや》の井戸《
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