た》も御承知《ごしようち》の石切河岸《いしきりがし》にゐた故人《こじん》柴田是真翁《しばたぜしんをう》の処《ところ》へ私《わたくし》が行《い》つて聞いた話ですが、是《これ》は可笑《をか》しいて……私《わたくし》が何処《どこ》へ行《い》つても口馴《くちな》れてお喋《しやべ》りをするのは御承知《ごしようち》の塩原多助《しほばらたすけ》の伝《でん》だが、此《こ》の多助《たすけ》の伝《でん》は是真翁《ぜしんをう》が教へてくれたのが初まりだが、可笑《をか》しいぢやありませぬか。どういふ訳《わけ》かといふと、其頃《そのころ》私《わたくし》が怪談《くわいだん》の話の種子《たね》を調べようと思つて、方々《はう/″\》へ行《い》つて怪談《くわいだん》の種子《たね》を買出《かひだ》したと云《い》ふのは、私《わたくし》の家《うち》に百|幅幽霊《ぷくいうれい》の掛物《かけもの》があるから、百|怪談《くわいだん》といふものを拵《こしら》へて話したいと思ふ時分《じぶん》の事で、其頃《そのころ》はまだ世の中が開《ひら》けないで、怪談《くわいだん》の話の売《う》れる時分《じぶん》だから、種子《たね》を探して歩いた。或
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