は結構《けつこう》な事でございませう、当季《たうき》斯《か》やうな物《もの》は誠に少なくなりましたがと云《い》つて、服紗《ふくさ》を刀柄《つか》へ巻《ま》いて抜《ぬ》くんだよ、先方《むかう》へ刃《は》を向《む》けないやうに、此方《こちら》へ刃《は》を向けて鋩子先《ばうしさき》まで出《で》た処でチヨンと鞘《さや》に収《をさ》め、誠に結構《けつこう》なお品《しな》でございますと、誉《ほ》めながら瑾《きず》を附《つ》けるんだ、惜《を》しい事には揚物《あげもの》でございますつて。弥「へえ天麩羅《てんぷら》かい。長「解《わか》らんのう、長《なが》い刀《み》を揚《あ》げて短くしたのを揚身《あげみ》といふ。弥「矢張《やつぱり》あなごなぞは長いのを二つに切りますよ。長「喰《くら》ひ意地《いぢ》が張《は》つてるな、鑑定《めきゝ》が済《す》むと是《これ》からお茶を立てるんで御広間《おひろま》へ釜《かま》が掛《かゝ》つて居《ゐ》る、お前《めえ》にも二三|度《ど》教へた事も有《あ》つたが、何時《いつ》も飲《の》むやうにして茶碗《ちやわん》なぞは解《わか》りません、何《なん》でございますか誠に結構《けつこう》な
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