あづか》りなすつて。主「へい/\畏《かしこま》りました。是《これ》から湯に這入《はい》る、御膳《ごぜん》が出る、お汁《しる》も向附《むかうづけ》も皆《みな》茗荷尽目《めうがづくめ》。客「ハア妙《めう》な家《うち》だ。と思ひながら御飯《ごぜん》を済《す》まして褥《ねどこ》に就《つ》く。翌朝《よくてう》になると早々《さう/\》に彼《か》の客人《きやくじん》は立つて了《しま》つた。妻「モシお前《まへ》さん。主「エヽ。妻「彼《あ》のお客は忘れて行《い》つたね。主「何《ど》うだ奇態《きたい》なものだらう、茗荷《めうが》を喰《く》ふと馬鹿《ばか》になると云《い》ふが、実《じつ》に不思議なもんだな。妻「本当《ほんたう》にさうだね。話をして居《ゐ》る処《ところ》へ彼《か》の客人《きやくじん》がせつせと帰《かへ》つて来《き》て、客「おい/\あのね、今《いま》田圃《たんぼ》まで出て肩を取換《とりか》へようと思つてやると両掛《りやうがけ》が無《な》いので驚《おどろ》いた、余《あんま》り急いだので両掛《りやうがけ》を忘れました。妻「おやまア是《これ》に御座《ござ》います、遂《つひ》私《わたし》の方《はう》でも
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