(和)茗荷
三遊亭円朝

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)或旅宿《あるやど》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)一|緒《しよ》

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)へい/\
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 或旅宿《あるやど》の亭主《ていしゆ》が欝《ふさ》ぎ込《こ》んで、主「何《ど》うも宿泊人《とまり》がなくつては仕《し》やうがない、何《なん》とか旨《うま》い工夫《くふう》は無《な》いものか知《し》ら……ウム、日外《いつぞや》お説教《せつけう》で聞いた事が有《あ》る釈迦如来《しやかによらい》のお弟子《でし》に槃特《はんどく》と云《い》ふがあつて、至《いた》つて愚鈍《おろか》にして忘《わす》れつぽい……托鉢《たくはつ》に出て人にお前《まへ》さんの名はと聞かれても、自分の名さへ忘れると云《い》ふのだから、釈迦如来《しやかによらい》が槃特《はんどく》の名を木札《きふだ》に書き、之《これ》を首に懸《か》けて托鉢《たくはつ》に出したと云《い》ふ、其《そ》の槃特《はんどく》が相果《あひは》てゝから之《これ》を葬《はうむ》ると、其墓場《そ
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