のはかば》へ生《は》えたのが茗荷《めうが》だと云《い》ふ事だ、されば「名を荷《にな》ふ」と書いて「めうが」と読《よ》ませる、だから茗荷《めうが》を喰《く》へば馬鹿《ばか》になる、今度《こんど》お客が泊《とま》つたら茗荷《めうが》を喰《く》はせよう、さうしたら無闇《むやみ》に物を忘れて行《ゆ》くだらう、ナニ此方《こつち》は泥坊《どろばう》を仕《し》たのぢやアないから罪《つみ》にはならねえや。頻《しきり》に考へ込《こ》んで居《ゐ》る処《ところ》へ、客「ハイ御免《ごめん》なさい。主人「へい是《これ》はいらつしやい。客「此《こ》の両掛《りやうがけ》を其方《そつち》へお預《あづ》かり下さい。主人「へい/\畏《かしこま》りました。客「お湯《ゆ》が沸《わ》いて居《を》りますかな。主人「エヽ沸《わ》いて居《を》ります…奥《おく》の二番へ御案内《ごあんない》申《まう》しなよ。客「エヽ此莨入《このたばこいれ》は他人《ひと》からの預物《あづかりもの》ですから其方《そつち》へお預《あづか》りなすつて、夫《それ》から懐中《ふところ》に些《ちつ》とばかり金子《かね》がありますが、是《これ》も一|緒《しよ》にお預《
前へ 次へ
全5ページ中2ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング