の間だけが休息だつた。しかし初めから幾列車待つとわかつてゐたのでないから、草原に寢ころんでゐた連中も、一つの軍用列車が通り過ぎると急いで車の中へ戻つて來たり、また下りて行つたりするので、相當にうるさかつた。
やがて動き出したかと思ふと、少し行つては停まり、また少し行つては停まり、停車場でもなんでもない所で停まつたり動き出したり、何をしてるのかまるでわからなかつた。こんなことにずゐぶんと時間を空費して、最後に本氣になつて走り出した時でも、速力はあまり出さなくなつてゐた。
乘客は決して減らないで、停車場ごとに殖える一方だつた。停車場の名前はペンキで塗りつぶしてあつたり、布で蔽つてあつたりして、しまひにはどの邊を通つてるのか見當がつかなくなつた。
――トゥールはまだですか?
私は人を掻き分けて通つてる一人の若い男に聞いた。その男はさつきオルレアンで私に水を上げませうかといつて水呑をさし出した青年だつた。彼は英語を話した。
――トゥールは通りません。私たちはトゥールをばあつちの方角に見て別の線を通つてるのです。
さういつて彼は右手の方を指ざした。その邊から私はわからなくなつてしまつ
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