ルレアンには停車した。停車する少し手前で、機關車がレイルの外に横倒れになつてめちやめちやに壞れてゐるのを見た。オルレアンを出るとすぐ、私たちの列車は囘避線に入つてまた停まつてしまつた。在郷兵のやうな服を着た老人が數人線路に沿うて立つてゐたのが近づいて來て、飮料水が用意してあるから飮みたい者は車から出て來なさいと觸れ歩いた。多くの人は車から飛び下りて水を飮み、まだしばらく停車するといふのでそのまま草の上に足を投げ出したり、寢ころんだりしてゐた。その間に一聯の軍用列車が非常な速度でパリの方へ駈け過ぎた。十分もたつたかと思ふ頃、また次の軍用列車が駈け過ぎた。窓からのぞいてるのは、軍裝してない青年が多かつた。中には手を振る者もあつたが、草の上に横たはつてる連中は萬歳も叫ばねば手も振らず、默つて見送つてゐた。
 軍用列車は殆んど引つ切りなしに幾つも通り過ぎた。初めからそのつもりで數へなかつたので正確な數はわからなかつたが、八列車か九列車か、或ひは十列車も通つたであらう。時間は一時間半か、ことによると二時間も待つたであらう。私は窓に凭つかかつて日記をつけたり、地圖を調べたりしてゐた。休息といへばそ
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