ことは》に 流行《はや》らせむかな
あなをかし あなおもしろや
おもしろの かみきり虫や
ヒヒヒホホ カヤ/\/\/\」
女王《きみ》の御代 これより朗《ほが》らに
大御心 ひらけ浮かれて
歌宴《うたげ》して 舞ひ給ふとて
腋下《わきした》の おん渦巻毛《うづまきげ》
こと/″\く 抜かせ給ひて
かの虫に あたへ給ひぬ」
さればわが 女王《きみ》の御果て
み誓ひの 固きにまかせ
御柩《みひつぎ》の 御片隅に
彼《か》の虫の 木乃伊《ミイラ》を作り
秘めやかに 納めまつりつ
女王様《わがきみ》の 髪切虫の
生《あ》れまさむ 来世を待ちね
美《うる》はしき 坊主頭を
永久永遠《とことは》に 流行《はや》らせむ為」
されば聞け 後の世の人
女王様《わがきみ》の 木乃伊《ミイラ》納めし
御柩《みひつぎ》の
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