ばかりでした。
「ヘヘヘ……。よく中《あた》りましたで御座いましょう。妾はこの国第一の年寄りで、又この国第一の占者《うらない》なので御座いますもの。当らない筈は御座いませぬ。妾は初め、向うから貴方が馬に乗ってお出でになるのを見付けまして、貴方のお顔を見ました時、すぐに貴方は貴い身分の御方で、御両親や妹御様方があり、しかもその末の妹御様は、この間十何年の長い間、他の国で美留女姫と名乗ってお話|狂気《きちがい》とまで云われた夢を御覧になって、その夢が覚めると、枕元の窓の処に一匹の赤い鳥が居た事、そうしてその長い夢の間に、昨日《きのう》までの事を忘れてしまって、却《かえ》って今の御身の上を夢ではないかと思っておいでになる事なぞが、一時《いちどき》にすっかり解かったので御座います。
紅矢様。お気をお付け遊ばせ。その妹御様の美紅姫こそ、貴方のお家の災の種で御座いますぞ。美紅姫はこの間御覧になった夢の中で悪魔になってしまって、赤い鸚鵡という鳥を召し使いにして、貴方のお家に恐ろしい災を降らせ、貴方の御両親や、貴方や、濃紅《こべに》姫や、家中《かちゅう》の人々を鏖《みなごろし》にして、只自分独り生き
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