こ》のアテが外れた時と全く全く同じように、ありがたい、尊い、勿体《もったい》ない、嬉しい嬉しい御恵みで――ありや――す……アーメン。と来たね」
「ようよう、うまいうまい貴様、魚屋よりもキリシタンの坊主になれ、どれ位人が助かるか判らん。あの異人の坊主の云う事を聞きよる内に俺《おら》あ死にたいような気持になったもんじゃが、今の貴様の御祈祷を聞いたりゃ、スウーとしてヤタラに目出度《めでと》うなった。あーら目出度《めでた》や五十六億七千万歳。鶴亀鶴亀」
「あの黒い鬚を生《は》やいた奴は日本人じゃろうか」
「うん、あれがあの女のキリシタンの亭主らしい」
「あいつが篠崎の耳に口ば附けてあなたはこの婦人を愛しますかと云うた時には、俺は死ぬほどおかしかったぞ」
「うん。俺《おら》もマチットで我慢しとった屁をば屁放《へひ》り出すところじゃった。あん時ばっかりは……」
「花嫁御も娘御も泣きござったなあ――」
「そらあ悲しかろう。いくら連れ添うても十日と保《も》たん婿どんじゃけんになあ。太閤記の十段目ぐらいの話じゃなか」
「仁三郎が黙って合点合点する内に、夫婦で指輪《いびがね》ば、取り換えたが、あの時も、可
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