ていた羽織袴連中は、今更のように眼を聳《そばだ》てて坐り直した。
式は型の如く運んだ。ジョリーさんが羅馬《ローマ》綴で書いた式文みたようなものを読み上げる時には皆起立させられたが、モウ足が痺《しび》れて立てない者も居た。
「|吾等の《ウワアルエールアヌオ》……|兄弟が《キヨダイガ》……|神様の《クワミイサアマヌオ》……|思召に《オボスイメスイニ》……|よりまして《イヨルイモアシテイ》……」
というのを、一同は英語かと思って聞いていたという。以下引続いて儀式の模様を、済んだあとからの彼等の帰り途の批評に聞いてみる。
「耶蘇教の婚礼なんてナンチいう、フウタラ、ヌルイ(風多羅《ふうたら》緩《ぬる》い? 自烈度《じれった》いの意)モンや」
「そうじゃない。あれあ大病人の祝言じゃけに、病気に障《さわ》らん様《ごと》、ソロオッと遣ってくれたとたい。毛唐人なあ気の利いとるケニ」
「一番、最初に読んだ分《と》は何じゃったろうかいね」
「あれあ神主がいう高天《たかま》が原たい。高天が原に神づまり在《ま》しますかむろぎ、かむろぎの尊《みこと》――オ……」
「うむ。そういえば声が似とる。成る程わからん事
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