発見致しました。
それは「女の児《こ》は男親に似易《にやす》く、男の児は女親に似易い」ということを例を挙げて証明した学理で御座いました。
それを読みました時に私は身体《からだ》中が水をかけられたように汗ばんでしまいました。そうしてせっかく喜び勇んでおりました私の心は又も、石のように重たくなってしまいました。
「お兄様と私とはやっぱり不義の子だ。そうしてそれを知っているのはこの世に私一人だけ……」
そう思いますにつれて、私の眼の前がズーと暗くなって行くので御座いました。
それから後《のち》の私の心は、もう図書館に行く力もない位よわりきってしまいました。御飯さえ咽喉《のど》を通りかねるようになりまして、ただ、岡沢先生御夫婦に御心配をかけないために無理からお膳についているような事でした。
「このごろトシ子さんの風付《ふうつ》きのスッキリして来たこと……それでこの東京に来た甲斐《かい》があるわ……ネエあなた……」
と云ってお二人から褒《ほ》められたり、冷やかされたりしました時の辛《つろ》う御座いましたこと……。
けれども、それでもまだ私の心の底に、あきらめ切れない何かしらが残ってお
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