押絵の奇蹟
夢野久作
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)隙《すき》を
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)只|一眼《ひとめ》なりとも
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「木+眉」、第3水準1−85−86]間《びかん》
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看護婦さんの眠っております隙《すき》を見ましては、拙《つた》ない女文字を走らせるので御座《ござ》いますから、さぞかしお読みづらい、おわかりにくい事ばかりと存じますが、取り急ぎますままに幾重《いくえ》にもおゆるし下さいませ。
[#ここで字下げ終わり]
あれから後《のち》、お便り一つ致しませずに姿をかくしました失礼のほど、どんなにか思《おぼ》し召しておいでになりますでしょう。どう致しましたならばお詫びが叶《かな》いましょうかと思いますと胸が一パイになりまして、悲しい情ない思いに心が弱って行くばかりで御座いました。そうしてやっとの思いで一昨晩コッソリと帰京致しますと、すぐにあれから後《の
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