来の光沢写真で、材料といい、技術といい、大正十年前後の日本では容易に見られない見事なものであった。写真は五枚とも同じもので真中には風采の堂々とした純ヤンキーらしい鬚のない男が、フロックコートを着て、胸に一輪の薔薇《ばら》の花を挿して、両手を背後《うしろ》に組んだまま莞爾《にこ》やかに立っている。その左側にスカートの短い、白い乗馬服を着て白い帽子を冠《かぶ》って、短い鞭を持って立っているのは最前のカルロ・ナイン嬢で、これもこっちを覗き込むようにして無邪気な微笑を含んでいる。又右手には嬢次少年が、真面目な顔をしてじっと正面を見ながら立っているが、服装はモーニング式の乗馬服で、右手《めて》に山高帽を持ち左手《ゆんで》に手袋と鞭を握り締めている。
三人の背後《うしろ》には一羽の大きな禿鷹が羽根を拡げた図案を刺繍《ししゅう》した幕が垂らしてあって、その上にB・S・A・Gという四個の花文字がこれも金糸か何かの刺繍になっているが、この幕は最前曲馬場の穹窿《きゅうりゅう》から垂らしてあった大旗と同じ図案であろう。三人の足の下に書いてある名前を見ると、真中のはバード・ストーンとある。なる程団長だけあっ
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