。
……ブ――――ン……
……という音につれて私の眼の前に、正木博士の骸骨みたような顔が、生汗《なまあせ》をポタポタと滴《た》らしながら鼻眼鏡をかけて出て来た……と思うと、目礼をするように眼を伏せて、力なくニッと笑いつつ消え失せた。
……ブ――――ン……
夥しい髪毛《かみのけ》を振り乱しつつ、下唇を血だらけにした千世子の苦悶の表情が、ツイ鼻の先に現われたが、細紐で首を締め上げられたまま、血走った眼を一パイに見開いて、私の顔をよくよく見定めると、一所懸命で何か云おうとして唇をわななかす間もなく、悲し気に眼を閉じて涙をハラハラと流した。下唇をギリギリと噛んだまま見る見るうちに青褪《あおざ》めて行くうちに、白い眼をすこしばかり見開いたと思うと、ガックリとあおむいた。
……ブ――――ン……
少女浅田シノのグザグザになった後頭部が、黒い液体をドクドクと吐き出しながらうつむいて……。
……ブ――――ン……
八代子の血まみれになった顔が、眼を引き釣らして……。
……ブ――ンブ――ンブ――ンブ――ンブ――ン……
頬を破られたイガ栗頭が……眉間を砕かれたお垂髪《さげ》の娘が……前額部
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