ている寝台の上に、靴|穿《ば》きのまま這い上って、仰向けにドタリと寝た。その頭の処で、扉がひとりでに閉まって来て重々しい陰鬱な反響を部屋の内外に轟かした。
……すると、それと殆ど同時に、混凝土《コンクリート》の厚い壁を隔てた隣りの六号室から、魂切《たまぎ》るような甲高《かんだか》い女の声が起った。
「兄さん兄さん……兄さんに会わして下さい。今お帰りになったようです。あの扉《ドア》の音がそうです。兄さんに会わして下さい……イイエイイエ……妾《あたし》は狂女《きちがい》じゃありません……兄さんの妹です。妹です妹です……兄さん兄さん。返事して頂戴……妾です妾です妾です妾です」
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………………………………………………………………………………………………………………これが胎児の夢なんだ………………………………………………………………。
……と私は眼を一パイに見開いたまま寝台の上に仰臥して考えた。
……何もかもが胎児の夢なんだ……あの少女の叫び声も……この暗い天井も……あの窓の日の光も……否々……今日中の出来事はみんなそうなんだ……。
……俺はまだ母親の胎内に居るのだ。こん
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