ている室の中を見まわした。
……意識の力はどこまでもハッキリしたまま……うつつともなく、夢ともなく、私の眼の前の床が向うの方に傾くにつれて、半分《なかば》開いた入口の方向を眼指《めざ》しつつ蹌踉《ひょろひょろ》と歩み出した。
「出入厳禁」と書かれた白紙を扉《ドア》の外から振り返った。
……しっかりせねばならぬ……どこまでも理性を働かせねばならぬ……と思いつつ白い月の光りがさし込んでいる窓付きの廊下を、右に左に傾き歩いた。
玄関の左右に並んだ真暗な階段の左側を、棒のように強直《ごうちょく》しつつ……ゴト――ン……ゴト――ン……という自分の足音を聞きつつ……一段一段と降りて行った。そのおしまいがけに、もう床に行き着いたと思うと、私の足は空を踏んで、全身が軽々とモンドリを打った……ように思う。
それから私はどうして起き上ったか、どこをどう歩いて行ったかわからない。いつの間にか自然と七号室の扉《ドア》の前に来て、石像のように突立っている私自身を発見した。
私は何かしら思い出せない事を、一所懸命に考え詰めた揚句《あげく》に、思い切ってその扉を開いて中に這入った。今朝《けさ》のままになっ
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