叫んで立上りかけた。大|卓子《テーブル》の端に両手を突張って、穴の明くほど正木博士の顔を見た。正木博士も私の叫び声に驚いたらしく、吐きかけた煙を頬張ったまま、眼を丸くした。
私の呼吸と胸の動悸が、見る見る息苦しく高まって来た。
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……わかった。わかった……正木博士が、何気もなく云ったらしい一言が、事件の真相らしいものをチラリと私の頭に閃《ひら》めかしてくれた……。
……私という人間は、一件記録の上には出ていないけれども、やはり呉青秀の血を引いた、呉一郎と瓜二つの青年に違いないのだ。
……二人の博士は、千世子が一人しか子を生んでいないという屍体解剖の結果によって、そんな事実の存在を否認しているようだけれども、事によると、それは私をこの実験にかけるための一つのトリックに過ぎないかも知れない。真実の私の過去は、やはり呉一郎と双生児《ふたご》で、幼い時に何かの理由で別れ別れになっていたその片割《かたわれ》かも知れないのだ。
……それが人知れず故郷に帰って来て、人知れずモヨ子を恋していた。或《あるい》は呉一郎と瓜二つなのを利用して、真物《ほんもの》の呉一郎に覚られないよう
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