しないでニヤニヤを続けた。
「わかってるわかってる。弁解しなくともいい。君の方ではあの少女に恋なぞされるのは迷惑かも知れないが、まあ任せ給え。君があの少女を恋しているいないに拘わらず運命に任せ給え。そうしてその運命の結論をつけるべく、あらわれて来た君の頭の痛みと、あの少女とがドンナ関係に於て結ばれているかという話を聞き給え……少々取り合せが変テコだが。……そいつを聞いて行くうちには、法律と道徳のドッチから見ても、君とあの少女とは、或る運命の一直線上に向い合って立っていることがわかるからね。この病院を出ると同時に結婚しなければならぬ事が、一切の矛盾や不可思議が解けるにつれて、逐一判明して来るからね」
こうした正木博士の言葉を聞いているうちに、私は又も、ガックリとうなだれさせられてしまった……しかし、それは赤面してうつむいたのではなかった。その時の私の気持ちは赤面どころではなかった。正木博士の言葉の中に含まれている、あらゆる不可思議な事実の中から、私の現在の立場を解決すべき焦点を、どうして発見しようかと、又も一所懸命に眼を閉じ、唇を噛み締めたのであった。今朝《けさ》からの出来事を順々に、
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