んで、それを一つの記録にして社会に公表すべく、吾輩の指図通りの手段を取るのをチャント吾輩の眼で見届けた上でなくちゃ、その実験をやる訳に行かないと云うのだ。……どうだ。出来るかい……その約束が……」
「……出来……ます……」
「よろしい……それじゃ話そう……イヤ。話が篦棒《べらぼう》に固苦しくなった。こっちへ来たまえ……」
 と云ううちに正木博士は、私の手をグングンと引っぱって、大|卓子《テーブル》の処へ連れて来て座らせた。自分も旧《もと》の肘掛回転椅子に私と差し向いに座ると、白い服のポケットからマッチを出して新しい葉巻に火をつけた。吸い残りの短いのは達磨《だるま》の灰落しの口へタタキ込んだ。
 私は窓の外が見えなくなったので、ホット重荷を卸したような気持ちになった。どうしても解けそうにない疑問の数々が、益々深刻に交錯して来るのを、頭の中心にハッキリと感じながら…………。

「イヤ。馬鹿に話が固苦しくなった」
 と今一度わざとらしく繰り返した正木博士は、今までよりもずっと砕けた態度になって机の上に両肱をついた。その上に顎を載せて、長い葉巻を横啣《よこくわ》えにしながら、ニヤニヤと私の顔を
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