その印象によって君自身の過去の記憶が回復されるかどうかを試験してやろう……そうして万が一にもその試験がうまく行ったら、窮極するところ、吾輩の力で吾輩を恐れ入らしてやろうという、実に巧妙|辛辣《しんらつ》を極めた計略を謀《たく》らんだ訳だ。その辺の呼吸の鋭どい事というものは、実に彼奴《きゃつ》一流の専売特許なんだよ。いいかい」
「……………」
「元来|彼奴《きゃつ》はコンナ策略にかけては独特のスゴ腕を持っているんだ。ドンナに身に覚えのない嫌疑者でも、彼奴の手に引っかかって責め立てられて来ると、頭がゴチャゴチャになって、考え切れないような心理状態に陥ってしまうんだ。とうとうしまいには何が何だかわからなくなったり、到底逃れられぬと観念したり、そうかと思うと慌てた奴は、成程|御尤《ごもっと》も千万と感心してしまったりして、知りもしない罪を引き受けたりする位だからね。近頃|亜米利加《アメリカ》で八釜《やかま》しい第三等の訊問法なんかは屁《へ》の河童《かっぱ》だ。彼奴《きゃつ》の使う手は第一等から第百等まで、ありとあらゆる裏表を使い別けて来るんだから堪《たま》らない。……現に今だってそうだ。仮りに
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