項を列挙すれば左の如し。
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  【一】 呉一郎の性格と性的生活

 呉一郎は当時満十六年四ヶ月の少年なるが、此《かく》の如き母性愛を主とせる家庭に人となり、且つ平生若き女性に接する機会を有する文弱明敏、且つ発育円満なる少年に有り勝ちの特徴として事件発生前より、既に十分の性的充実を来《きた》しおりたるも、その母性愛の純美さと、自己の頭脳の明晰さとに品性を浄化されて、これを肉体的に発露し得るが如き心理の欠陥を有せず、無垢《むく》の童貞を保ちおりたるものと認めらる。異性の唱歌を傾聴したる旨を告白し且つ赤面せるが如きは、かかる性格を有する斯《かか》る時代の少年の特徴と認むるを得べく、又、談話中の到る処に発見さるる可憐なる率直さ、及び自身が犯人として眼指《めざ》さるるべき理由の動かすべからざるものあるを自覚しつつも、自己の立場に対する何等の恐怖を感ぜざりし事実等より推して、その心理に微小の暗影をも止《とど》めざる、清浄純真の童貞生活を送り来《きた》りし者なる事を察知し得べし。而《しか》して右年齢と性的生活の推定は、この事件に関する精神科学的観察の全部に影響する、重要なる
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