らだ》の具合がわるかったせいか、汽車にヒドク酔いまして、あの石炭の煙のにおいが大嫌いになってしまいましたのに、こっちへ来ますと、そこら中が炭坑だらけで、朝から晩までそんな臭いばかりするからだろうと思います。けれども、母が折角いい処だと云って喜んでおりましたから、仕方なしに我慢しておりました。そうするとそのうちに慣れてしまって、汽車にも酔わなくなりましたけれども、空気の悪いのと、石炭の臭いだけはシンから嫌でした。それから学校に這入りますと、生徒の言葉が色々になっていて乱暴でわからないので困りました。日本中から集まった人の子供がいるんですから……。
 ――それに又、僕は小さい時から方々を引越していたせいか、友達が些《すくな》いのです。こっちへ来ましても学校友達はあまり出来ませんでしたが、その中《うち》に中学の四年になりますと、すぐに一所懸命の思いをして、福岡の六本松の高等学校へ這入りましたら、空気がトテモ綺麗で見晴しが素敵なので嬉しくて嬉しくて堪《たま》りませんでした……エエ……そんなに早く試験を受けましたのは直方《のうがた》が嫌いだったからでもありますけど、ホントの事を云いますと、早く大
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