団次なぞと同じ星廻《ほしまわ》りだから、三十四から四十までの間が一番災難の多い大切な時だ。尋ね人は七赤金星《しちせききんせい》で、三碧木星とは相剋だから早く諦めないと大変な事になる。双方の所持品《もちもの》同志でも近くに置くとお互いに傷つけ合おうとする位で、相剋の中でも一番恐ろしい相剋なのだから、忘れても相手の遺品《かたみ》なぞを傍近くに置いてはいけない。そうして四十を越せば平運になって、四十五を越せば人並はずれたいい運が開けて来る」と云ったんだそうです。それで僕が八ツの年に、こっちへ来たのだそうですが、「ホントにその通りだ。私は天神様や何かとおんなじ星廻りだから、文学や芸術事が好きなのだろう」って母は何遍も塾生に話して笑っていましたので、僕はそんな云い草をスッカリ空《そら》でおぼえてしまったのです。……でも七赤金星の話は僕ばかりにしかしなかったそうで、誰にも話してはいけないと口止めされていたのですけども……。
 ――母は直方《こちら》へ来ると間もなく、この家《うち》を借りて塾を開きました。生徒はいつも二十人位なのを、夜と昼の二組にわけて下の表の八畳で教えていましたが、大変にいい処のお
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