に相手を脅威すべく火花を散らしている……らしい事にお気が付かれましたならば、この事件の裡面に横たわっている暗流が如何に大きく、且つ、深いものがあるかを御推察になるのに充分であろうと信じまする次第で……。
「アーッ……アーッと。イヤア。とうとうやって来たね。ハハハハハハ多分もうやって来る時分だと思っていたが」
「ハア……ではもう、事件の内容は御存じなので……」
「知っているぐらいじゃない……これだろう……花嫁殺し迷宮に入る[#「花嫁殺し迷宮に入る」に傍点]……という……無論記事の内容にはヨタが多いだろうが……」
「さようで……併《しか》し私がこの事件に関係致しておりますことは、どうして御存じで……」
「……ナアニ……この間|一寸《ちょっと》用事があって君に電話をかけたら、午後の講義をブッ潰して、自動車でどこかへフッ飛んで行ったというから、扨《さて》は何か初まったナ……と思っていると、その日の夕刊に……結婚式の前夜に花嫁を絞殺す[#「結婚式の前夜に花嫁を絞殺す」に傍点]……とか何とかいう特号四段抜きか何かの記事が出たから、扨《さて》はこの事件に引っかかったナ……と察していた訳なんだがね」
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