した。
 その呼吸が又も次第次第に高く喘ぎ初めました。その頬に一種異様の赤味がホノボノとさし初めました。空中の或者と物語っているかのように眼を細くして、腹の底から低い気味の悪い音を立てつつ切れ切れに、
「……アハ……アハ……アハアハ……」
 と笑っておりましたが、やがてその唇を凝《じっ》と噛んで、美少女の寝顔を見下しますと、ワナワナと震える指をさし上げて、頭の上の電燈のスイッチを一ツ……二ツ……三ツ……と切って、最後に四ツ目をパッと消してしまいました。
 しかし室内はモトの闇黒《あんこく》には帰りませんでした。閉じられた窓の鎧扉《ブラインド》の僅かの隙間《すきま》から暁の色が白々と流れ込んで、室《へや》の中のすべての物を、海底のように青々と透きとおらせております。
 ……茫然と、その光りを見つめておりました彼は、やがてその両手の指をわななかせつつ、ピッタリと顔に押当てました。ヨロヨロと背後《うしろ》によろめいて壁に行き当りました。そのままズルズルと床の上に座り込みますと、失神したように両手を床の上に落して、両脚を投出して、グッタリと項垂《うなだ》れてしまいました。
 その時に解剖台上の
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