化粧品等と一緒に新しい晒布《さらし》に包み込んで、繃帯で厳重に括《くく》り上げてしまいました。多分、どこかへ人知れず投棄して、出来る限り今夜の仕事を秘密にする計劃で御座いましょう。四一四号の屍体の各局部の標本を取らなかったのも、そうした考えからではなかったかと考えられます。
 こうした仕事を終りまして今一度そこいらを念入りに見廻しました若林博士は、やがて傍《かたわら》の机の上に置いた新しい看護婦服と白木綿の着物を取上げて、まだ麻酔から醒ずにいる少女に着せるべく、解剖台に近づきました……が……若林博士は思わず立止まりました。手に持っている物を取落して背後《うしろ》によろめきそうになりました。
 今更に眼を瞠《みは》らせる少女の全身の美しさ……否、最前の仮死体でいた時とは全然《まるで》違った清らかな生命《いのち》の光りが、その一呼吸|毎《ごと》に全身に輝き満ちて来るかと思われるくらい……その頬は……唇は……かぐわしい花弁《はなびら》の如く……又は甘やかなジェリーのように、あたたかい血の色に蘇《よみがえ》っております。中にもその愛《め》ずらかな恰好の乳房は、神秘の国に生れた大きな貝の剥《む》
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