たような蚯蚓腫《みみずば》れや、蜥蜴《とかげ》のような血斑が、見ているうちに頸のまわりを取巻いてしまいました。
 しかし黒怪人物の黒怪事業はまだまだ進行する模様で御座います。
 黒怪人物は、それから大急ぎで二重の手袋を穿《は》め直しまして机の下から一包みの繃帯を取出しました。その繃帯でもって化粧済みの屍体の顔から頭へかけて真白に巻き潰してしまいましたが、続いて頸、肩、上膊部、胸、腹部、両脚という順序に、全身をグルグルグルグルグルと巻上げますと、御覧の通り木乃伊《ミイラ》の出来|損《そこ》ねか又は、子供の作るテルテル坊主の裸体《はだか》ん坊《ぼう》を見るような姿にしてしまいました。それから今度は、寝棺の蓋の上に寝ている美少女の派手な下着を剥ぎ取って、白坊主に着せまして、その上から緋鹿子絞《ひがのこしぼ》りの扱帯《しごき》をキリキリと巻付けてやりましたが、その姿の奇妙さ、滑稽さ……そうして、それと向い合って見下している黒怪人物の、今更に眼に立つ物々しい妖異さ……。
 しかしまだテルテル坊主の屍体には、節《ふし》の高いカサカサに荒れた両手が、ニューと突出されたまま残っております。これをどうし
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