似通っているようで御座います。
若林博士は前からこの屍体に眼星をつけていたものらしく、よく検《あらた》めもせず、又は、少しの躊躇も見せずに、容器をピッタリと元に復《かえ》して、南京錠を引っかけますと、その屍体を材木か何ぞのように担ぎ上げて、一歩一歩とコンクリートの階段を昇り詰めながら、片手で壁際のスイッチを切って、地下室の電燈を消してしまいました。【暗転[#「暗転」は太字]】
ここで又、暫くの間、闇黒の場面が続くので御座いますが、しかし……お聞き下さい。あの夥しい犬の吠え声を……。
あれは今の屍体冷蔵室と、法医学教室の裏手に連なる松原の闇黒《くらやみ》伝いに、人眼を避けつつ屍体を担いで行く、若林博士の異様な姿を、その松原の附近に設けられている実験用の動物の檻の中から、野犬の群が発見して、吠え立てているところであります。それに魘《おび》えて狂いまわる猿輩《さるども》の裂帛《れっぱく》の叫び……呑気な羊や、鶏《とり》の類までも眼を醒して、声を限りに啼き立て、喚《わ》めき立てている。その闇黒の騒がしさ……モノスゴサ……。けれども斯様な動物どもが騒ぎまわる事は、殆ど毎晩といっても宜しい
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