い鼻の左右にピカピカ光る大きな鼻眼鏡と、その下に深く落凹《おちくぼ》んだ鋭い眼付き、横一文字にピッタリと結んだ大きな口元、又は鼻眼鏡をかけた骸骨ソックリの表情で、テーブルの前に立ちはだかって、諸君を一渡り見まわしてから、総入れ歯をカッと剥《む》き出して笑うところまで、満身これ精力、全身これ胆《たん》、渾身《こんしん》これ智……。
……どうも……そうお笑いになっては困ります。……ナニ。質問……ハイハイ何ですか。ハハア。説明している私と、画面の中の正木博士と同一人か別人か……。
アハハハハハ。これは失敗……早速退散致しまして画面の中の私……否。正木博士に説明させる事に致します。【説明者消失】
【映写幕上の正木博士、身振りに従って発声】
……エヘン……オホン……。
……吾輩は満天下の新人諸君と、この銀幕上に於て相見《あいまみ》ゆる事を生涯の光栄とし、且《かつ》、無上の満足とする者である。
諸君は常識の世界に住んでいながら、非常識の世界に憧憬《あこが》れている人々である。現在、地上の到る処……汽車、汽船の行き尽すきわみ、自動車、飛行機の飛びつくす隈々《くまぐま》に儼然《げんぜん》と
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