たらア
赤《あ》アカい壁《か》アべにぶつかったア
フウララフウララフゥ――ララ……
フウララフウララフゥ――ララ……」
[#ここで字下げ終わり]
又、こちらの方では四十位の職人風の男が二人、親密そうに肩を組んで、最前の年増女《としまおんな》と直角の方向に、行きつ戻りつしております。もっとも右側の男は東京見物、左側の一人は南極探検の意味で、斯様《かよう》に意気が投合して、大旅行を続けているのだそうですから、まことに世話が焼けません。それからこちらの入口の処に座っております肥ったお婆さんは、相当な身分の人らしい事が、その上品な着物の柄で推量出来ますが、しかし御本人は、そんなつもりではないらしく、いつもあのように貧民窟に住んでいるような恰好で、居りもせぬ虱《しらみ》を一所懸命に取っては潰し、抓《つま》んでは棄てております……かと思うとアレ……あの通り帯を解いて丸裸体《まるはだか》になりまして、大きな音を立てながら着物をハタキ初めますので、そのたんびに演説屋も、二人の職人も、女学生も、心理遺伝の発作を中止して、指さし、眼さし、腹を抱えております。
さて……以上、映
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